2021.8.4
路上で生活をしている人たちがコロナウイルスのワクチンについてどのような意識を持っているかを以下の通り調査いたしました。
全体を通じて「接種したくない」が過半数を占める結果となりました。知人宅に住民票を置いているなどで、接種券をもっている人は全体の2割強でした。「接種したい」と考えている人は接種券を持たない人の中でも13%いました。
接種券がなく未定の人の中には、「ワクチンがどういうものかわからないから、もう少し様子見をして考えたい」との声も聞かれました。接種を希望しない人の中には、「野宿生活中に副反応で高熱が出てしまったら、缶集めの仕事ができず、死活問題だ」と話す人もいました。
路上で生活をしている人へのワクチンについての周知は、大阪市の巡回相談員がおもに行なっています。大阪市の巡回相談員とは「相談員が大阪市内全域を巡回して、ホームレスの生活・健康・悩み等について面接相談を実施し、その相談によって個々の状況の把握に努めることにより、ホームレスと社会との関係を維持し、ホームレスに個々の事情に対応した自立に向けた支援を行うことを目的」(大阪市HP「大阪市ホームレス巡回相談事業実施要綱」より抜粋)で、定期的に市内を巡回しています。相談員との面会したことがある人は19%、一度も会ったことがない人は77%となりました。
大阪市の巡回相談員よりチラシを受け取った人は全体の11%でした。他団体および西成区のシェルターで受け取った人は9%、「もらっていない」と回答した人は74%となりワクチンに関する周知が不足していることが明らかとなりました。
路上生活をしている人たちへの周知が十分ではないことや、住居が不安定な人がワクチン接種をした際の熱などの副反応が起きてしまうことへ不安を感じていることがわかりました。Homedoorでは今後ワクチンを希望する住居不安定層へ希望に応じて一時的なシェルター提供を行なっていく予定です。
本調査のPDF版はこちらからご覧いただけます。